tokimeki*train
「…で、何があったの?」
ポテトを摘みながら聞いてくる。何かあった事が前提なのね、明さん。
私は諦めて、今朝あった事を話し始めた。
痴漢もどきにあった事。K高の知らない男の子が助けてくれた事。お礼がしたい事。
「ふ~ん」
ニィと意味ありげな笑みを浮かべた割には。
あんまり反応のない返事。ちゃんと話したのに。
「で、あなたの王子様は誰?」
「え?」
「しらばっくれないでよー。誰か好きな人がいるんでしょ? 私が気付いてないとでも思ってた?」
いやはや…
さすがの明さん。私の事はみんなお見通しだったのね。
私は諦めて、明に初めて、放課後の彼の事を話した。