同級生
第Ⅰ章:『同級生』

出会

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入学式当日、同じ中学の友人3人と共に、チャリで新しい学校に向かっていた。


今日から高校生活がはじまるのに、祝福の気配すら感じない天気。

しばらくチャリを漕いでいると、薄暗い雲から細か過ぎる雨が降り注いできた。

持っていた傘を広げると、細か過ぎる雨はピタッと止み、雲の隙間から青空が覗き込んだ。

渋々傘を閉じた途端、青空は顔を隠し、細かい水滴を落としはじめる始末。


天気に翻弄されながらチャリを漕ぎ、苛立ちばかりが募っていった。


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