同級生
「二中?俺らも二中だけど、あんな奴居たか?」

「東二中。ここから電車で二駅だったかな?」

「東か…」

小さく呟きながらアイツを見ると、アイツは困った表情のまま固まっていた。

「あ、行って良いよ。またな~」

逃げ出すように走り出し、駅の方に向かって行ったアイツを眺め、微弱な電気を微かに感じていた。

「洋ちゃんがナンパとはねぇ…」

イヤらしい笑いを浮かべながら呟く人志。

「ちげぇよ!何か気になんね?アイツ、何て名前なんだろうな?」

「えっとね…。確か…『キクチカズハ』だったかな?」

一哉の言葉に、必要以上に素早く反応してしまった。

「カズハ?」

「そそ。菊の池に咲く平和の華って書くらしい」

「菊池和華か…。つうか、何で知ってんの?」

「同じクラスだから」

「……帰るぞ」

ため息を飲み込みながらチャリに跨がり、少し急いで家の近所にある公園に向かった。
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