同級生
―昼休み―


和華と人志の3人で図書室に向かい、和華の隣に座った後、早速英語を教えて貰った。

わかりきった内容だけど、教科書やノートを広げ、丁寧に教えてくれる和華。


一番聞きたいのは和華の胸の内だけど、図書室で寝ている生徒達や、退屈そうにしている人志の前で、勉強以外の事を聞き出す事が出来ずにいた。



テストまであと3日。


あと3日のうちに、せめて携帯の番号位聞き出したい。


携帯の番号さえ聞き出せたら、気持ちを伝えられずに卒業してしまっても何とでもなる。


胸に固く決意し、後片付けをしている和華に、思い切って切り出した。

「カズ…、菊池、携帯の番号教えてくんね?」

「……携帯?」

「ほ、ほら!家で勉強してる時、わかんない所あったらすぐ聞けるじゃん!緊急時用にさ…」

「そう言う事かぁ。ごめんね。携帯、壊れたままなの。お祭の時、携帯ポケットに入れたまま水遊びしちゃって…。機種変まだしてないんだ。試験期間中なら自宅の電話繋るから、自宅にかけて良いよ。試験の後、引越しするから電話繋らないけど…」

「そ、そうなんだ…。じゃあ自宅に電話するな」

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