同級生
優しく微笑みながら頷いた後、和華は図書室を後にした。

携帯の番号は聞き出せなかったし、自宅の電話が繋るのは試験中だけ。


1週間伸びたタイムリミットの間、出来る限り和華に近付こうとした。



その日の夜、胸を弾ませながら携帯を開き、和華の自宅に電話をした。

声しか聞こえないけど、邪魔モノの居ない二人きりの空間に、気持ちは凄く落ち着いていた。


勉強の話をし終えた後、時計の針を見るともう11時過ぎ。

「あ、もう11時過ぎてんじゃん。超早ぇなぁ…」

「ホントだ。またわかんない所あったらいつでも電話して着てね!」

「ああ。今度お礼するな」

「そんなのいいよ~。結構長電話してるから、携帯料金酷い事になりそうじゃない?」

「たぶん、大丈夫だよ。無料通話分カナリあるしさ。つうか、早く携帯買えよな?自宅だとちょっと抵抗があるから」

「うーん。暇が無いんだよね…。就職先が親戚の会社で、もう研修始まってるの。バイトとしてね」

「マジで?疲れてるだろ?もう寝ようぜ」

「うん。わかった。また明日ね」

「おう。またな」

「おやすみなさい…」


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