同級生
学校に到着し、最後の教室に入ると、切なさと寂しさがジワリジワリと込み上げてきた。


和華とはじめて会ったのは3年前。


あの時は『一目惚れ』だなんて思って居なかった。

あの時は『好き』って言う自覚をしていなかった。


ただ、和華を見ているだけでゆっくりと爪先から電気が走り、グッと胸が締め付けられただけ。

ただ、気になるだけだったのに、3年間も一途に和華を思い、和華だけを見てきた。


周りが男だらけだから、一途に思っていた訳じゃない。

普通科の高校で会っていたとしても、結果は同じだったと思う。


担任の声で廊下に出た後、卒業式会場の体育館へ向かう途中、和華の後ろ姿が視界に飛び込んだ。



………絶対後悔なんかしねぇぞ!



和華の後ろ姿を見つめながら、ポケットの中で拳を握り締め、担任の後を追い体育館の中へゆっくりと入って行った。


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