同級生

素直

翌日から始まった、正式な授業。


ほとんどの教科は中学の復習だけど、新しく始まった専門教科は想像以上に俺の頭を悩ませた。


俺の頭を悩ませるのは、専門教科だけでは無い。

専門教科なんかよりも、一哉と同じクラスの和華の方が、俺の頭を掻き乱し、その度に微弱な電気が駆け巡る始末。

唯一、期待していた選択授業ですら、違う教科を選んでいたせいで、アイツと同じ授業を受ける事が叶わない状態。



アイツの声が聞きたくて、休み時間の度に一哉の教室へ行き、アイツの事が知りたくて、少しずつアイツに近付いた。

アイツの席は窓際の一番後ろだから、近付き易くて凄く助かるんだけど…



いつも話しているのは和華の方では無く、前の席に座る大久保。

大久保が絶え間なく話しているせいで、和華の声をちゃんと聞く事が出来なかったけど…

地道な行動は、その日の昼休みに成果を出した。

「和華、部活どうする?」

大久保の言葉に、思わず耳がデカくなった。

「ん~。大園くんがバスケ部のマネージャーやれって言うんだよね…」

「イッコ上で幼馴染みの?」

「そんな大したもんじゃないよ。単なる知り合い」

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