同級生
その日の夜。

夢と現実の微睡む世界で、私は夢を見たんだ…


遠く懐かしい記憶の夢。

ハッキリと記憶に残る夢。



夢の中の私は中学生で、周りに居る人達も、中学生の頃のクラスメイトばかりだった。

担任の先生も、居る場所も、制服までみんな当時のままだったけど…

一つだけ過去とは違ってたんだ。

私は後ろの席に座る、成績優秀な女の子に苛められてた。

紙屑を投げられたり、悪口を言われたり…

担任の先生も、他のクラスメイトも、みんな見て見ぬ振りをしてた。

私は一人でジッと我慢をしてた。

けど、そこまで我慢強い訳でも無ければ、辛抱強い訳でもない。

夢の中の私は机を蹴り飛ばしながら立ち上がり、その子の元へ歩み寄ったんだ。

その時、窓の外から笑い声が聞こえて、高校の時の同級生達が楽しそうに歩いてた。

みんな自由で、楽しそうに歩いていて、凄く羨ましかった。


ここから飛び出したい。

みんなの元へ行きたい。


そう強く思った時、教室の後ろの扉が“ガン”っと乱暴に開き、大好きだった彼が現れた。


『何してんだよ。行くぞ』


凄く嬉しくて…

彼が迎えに来てくれた事が嬉し過ぎて…

笑顔で力強く頷いた。


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