同級生
小走りで実家に向かい、実家が見えた瞬間走り出している自分が居た。


実家に飛び込んだ後はこっちのもの。

悠然とリビングに入ると、父親と母親、弟の裕之までもが数枚の紙を見ていた。


「あら?洋介じゃない。どうしたの?」

「ちょっとな…。何見てんの?」

母親に答えながらソファに座り、テーブルに置いてあった紙を手に取ると、父親が笑顔を噛み殺しながら答えた。

「今度引っ越すんだよ。茨城に」

「茨城?なんで?」

「裕之が茨城の大学受かったんだよ。俺も母さんも老後は田舎に住みたいからな!ついでに行くか!って話になってな、で……」

「で、なんだよ?」


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