同級生
玄関を飛び出した後、通い慣れた細い上り坂を歩いていると、背後から車のクラクションの音が耳に突き刺さる。


「痛…」

片耳を軽く抑えながら振り返ると、白いワンボックス車がクラクションを鳴らしながら猛スピードで通り抜けて行った。



………ホントなんなの?こんな坂道であんな飛ばして…あの品川ナンバー、スピード違反でしょ…次見かけたら通報してやるんだから…ったく…



口からこぼれ落ちたため息と、止まる事を知らない頭の中の愚痴。

朝から重い気分のままゆっくりと歩き、気分が全く乗らないまま叔父さんの家に到着してしまった。


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