同級生

「おはよ…」

小さく呟くように言いながら建て付けの悪い事務所の扉を“ガタッ”と開けると、見知らぬ男性3人と叔父さんが何かを話していた。

「おう。和華。休みなのに悪いな」

「大丈夫……」

叔父さんに答えながらふと顔を上げた瞬間、突然息が詰まり、言葉の途中で声が出なくなった。




見知らぬ男性が居ると思って居たのに…

ううん。

3人のうち、2人は知らない人…

だけど…

もう1人の男性は…

ずっと夢の中で話してて…

ずっと近付きたかったのに近づけなくて…

高校の時、『こうしたかった』って願望と後悔を小説にまで書いてしまった…

ずっと会える事を待ち望んでた人…



ずっと会いたかった人が目の前に居る…



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