同級生
「へぇ~。ビールなんか飲むんだ。意外だねぇ」

二人の会話を遮ったのは人志。

「先生には内緒だよ」

少し上目遣いで口元に人差し指を当てる和華に、胸の奥がグッと締め付けられた。

「内緒にするから、今度一緒に飲もうよ!洋ちゃん、超酒強いんだぜ?」

「そうなんだ。でもごめんね。下心ある人とは飲まないの」

「誰に下心あるんだよ?」

人志の言葉に、黙ったまま人志を指差す和華。

「お前嫌い。今後、絶対誘わないからな!頼まれてもお前とは絶対飲まないからな!」

肩を震わせながら小さく笑う和華と大久保。

完全にからかわれてしまい、キレまくる人志を宥めながら教室を出た後、人志に切り出した。

「なぁ、人志。バスケ部入んねぇ?」

「ヤダ!絶対ヤダ!運動とか有り得ない!」

「動かないからブクブク太るんだろ?ちょっとは痩せろよ」

「イヤだ!洋ちゃん、またバスケやるの?」

「ああ。…たぶんな?」

「ふーん…。どっち目当て?大久保?菊池?」

「…ちげぇよ。そんなんじゃねぇよ…」

人志に答えながら、全身の力が抜けていく感覚に襲われ、気のない返事をする始末。

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