同級生


午前中の作業を終え、待ちに待った昼休み。

さっさと食事を済ませた後、適当な口実を作り、急いで事務所に向かおうとした。


もうすぐアイツと話しが出来る…

もうすぐアイツを間近で見れる…


そう思うだけで胸は高鳴り、懐かしい痺れが爪先からゆっくりと全身を駆け巡った。


事務所の扉に手をかけた瞬間

“ブーッブーッ”

っとポケットの中の携帯が震えはじめた。


白いため息をつきながら携帯を開くと、そこには『葉月』の文字。



………うわぁ…よりによってこのタイミングかよ…すげぇ萎える…



駆け巡っていた微かな痺れは全身の力をも奪い去り、さっきまで何も感じなかった気温の低さを、痛い程感じさせた。


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