同級生

再会



………普通、あのタイミングで出て来るか?



携帯の向こうから喚き散らす葉月をよそに、『はぁ』っと大きくため息をつき、無言のまま携帯を畳んだ。



………仕事したくねぇ。けど戻らないとな…



重い足を引きずりながら二人のの元に戻ると、午前中とは正反対のテンションに、瞬さんも春樹さんも少し不思議そうな表情を浮かべていた。

「なんかあったのか?」

「いえ…」

春樹さんの問い掛けに、小さく答える事しか出来なかった。


「そうか。瞬、事務所の扉直してやってくれ」

「え?でもあの扉、依頼されてないですよね?」

「それ位サービスしたって良いだろ?あれ、でかい地震あったら開かなくなるかもしれないからな。こっちは俺と洋介で…」

「俺やります。てか、やらせて下さい」

二人の会話を遮りながら、顔が熱くなっていくのがわかった。

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