同級生
逃げ出すように、力無く教室に戻り、自分の席にドカッと座った。



……何で素直に言えねぇんだ?何で正直に言えねぇんだ?昨日、はじめて会ったからか?こんなのはじめてじゃね?



小さくため息を吐いた後、隣の席に座る、細くて背のデカい新田がはじめて話しかけてきた。

「なぁ、お前いつもA組行くじゃん。和華が目当てだろ?」

「は?つうか、何で呼び捨てなん?」

「ヤり捨てした元カレだから」

一瞬にして頭に血が上り、思わず立ち上がりながら新田の胸ぐらを掴んだ。

「嘘。冗談だよ。一目惚れのクセに本気かよ…」

「あ?喧嘩売ってんのか?」

「いや?自分で気付いて無さそうだからさ。入学式の時から熱い視線送ってたろ?あんなの気付かないのは和華位だ」

「つうか、何で呼び捨てなんだよ?」

「なんとなく?話した事無いけどな。裏で何て呼ぼうが俺の勝手だろ?」

言い返す言葉も無く、胸ぐらから勢いよく手を離し、自分の席にドカッと座った。


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