同級生
「洋介?」

「へ?」

「何ニヤついてんだ?気持ち悪ぃ…」

「あ…すっすいません!」

瞬さんに表情を指摘され、慌てて両手で顔を洗うように擦った。


「お疲れ様です!お先に失礼します!」

懐かしい声に振り返ると、和華は笑顔で軽く会釈をし、歩きはじめていた。


「あ!ちょっま!」

足元の工具を蹴り飛ばしながら、慌てて和華の元へ駆け出した。

「ど…どうしたの?」

驚いた表情のまま、小さく聞いてくる和華。

間近で見た和華の全ては、記憶の中より輝いて見え、頭の中が真っ白になってしまった。


「あ…あのさ…お疲れ」

「お疲れ様…?」

「あっあのさ…明日もここ来る?」

「ううん。こっちは土曜だけだから…それに…」

「それに?」

「明日日曜だよ?確か工事も休みでしょ?」


クスっと笑いながら告げる和華に、思わず見惚れそうになる…


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