同級生
“ブーッブーッ”
―――!!―――
携帯の震える音が聞こえ、布団を跳ね退けると共に携帯を掴んだ。
………知らない番号…?もしかして!!
慌てて携帯を開いた瞬間、携帯は手の中から滑り“ゴトッ”と床に落ちてしまった。
「あ!すっすいませんっ!今、携帯落としちゃって…」
慌てて携帯を拾い上げ、耳に当てながら告げると、電話の向こうから小さく笑う声が聞こえた。
「…ホント変わんないな。大丈夫か?」
「…浜野くん?」
「ああ。さっき俺の番号教えて無かったからさ。今大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ」
「良かった…」
彼が小さく呟いた一言。
『良かった』
私も声が聞けて『良かった』。
本気でそう思ってる。
こんなふうに他愛もない会話をしながら、本気で『良かった』と思ってるよ。
偶然の再会から数時間しか経ってないのに、もう何ヶ月も何年も会ってないような気がして…
魔法にかかったように貴方の事ばかり考えて…
もうとっくに成人しているし、あれから数回の恋もしてきたのに…
声だけでこんなにドキドキするなんて、今まで無かった。