同級生
「悪い。母さんが風呂入れってうるせぇ…」

「そっか。実家って大変だね」

「早く一人暮らしに戻りてぇな…。わかってるよ!あ…ごめん」

「アハ!じゃあまたね」

「ああ。また電話するな。おやすみ」

「おやすみなさい」


携帯を畳んだ後も、顔は綻んだまま。

付き合ってる訳でも無いのに…

ちょっとだけ長電話しただけなのに

胸の奥が凄く温かくて

それだけで凄く幸せ。



………顔が元に戻んない。変な魔法かけられた気分だな。忘れる筈だったのに、昔より近付いちゃったよ…



両手で表情を戻そうと両頬を持ち上げてみても、手を離すとまた緩んでしまう。


さっきの会話を思い出すだけで、『会いたい』気持ちは膨らんでいき、頭の中は彼の事で溢れていた。


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