同級生
『言いたくなきゃ住所教えろよ。今すぐ行くから』
説得するような口調で、私に告げてきた言葉。
『黙ってんじゃねぇよ!言えって!和華!!』
私が黙っていた事に苛立ったのか、突然怒鳴り付け、初めて下の名前で呼ばれた事実。
『いきなり泣いてたからすげぇ心配して…ホントにごめん』
心底反省していたのか、少し弱く感じた彼の声。
………もうどうしたら良いかわかんないよ…
考えれば考える程、涙が込み上げ、彼を思えば思う程、自分の意気地無さに泣けてくる…
今までずっと誰にも言えなかった恋心。
本当に好きだったから誰にも言えなかった。
彼の事が好き過ぎて…
3年間、ほんの少しだけ視界に入るだけで、心臓は破裂しそうな程飛び跳ねてた。
3年間、彼の笑い声を背中越しに聞いてるだけで充分だった。
彼に対する恋心は、誰にも何も言わず、墓場まで持って行こうと思ってた。
それなのに、突然、彼が目の前に現れ、高校の時より仲良くなって、自分のミスで当時の気持ちがバレて…
記憶も、思い出も、何もかもが崩れ落ちてしまったような…
心が跡形もなく崩れてしまったような…
失恋に似たような感覚がだけが胸に残る。