同級生



………中学の時から飼ってる猫?しかもピンピンしてる?どういう事だ?



仕事をしながらどんなに考えたって、答えなんて出て来る訳が無い。

ただ一つハッキリしてる。


“和華が嘘をついた”


あんなに泣きじゃくっていたのに嘘をついた。


俺に原因があるのか?

俺が泣かせたのか?

だとしたら、頑なに理由を言わなかったのも頷けるし、嘘をついた事も納得出来る。



「洋介!お前ちょっと休んでろ!」

春樹さんの怒鳴り声で、ずっと棒立ちしていた自分に気が付いた。

「すいません!ちゃんとします!」

慌てて工具を手に取ると、春樹さんは俺から工具を奪い取り、冷たく鋭い目で告げてきた。

「休んでろ。お前に何かあったら俺の責任になる」

「で…でも…」

「お前のミスも俺の責任だ。足を引っ張るな」

「…わかりました。5分だけ休みます。すいませんした」

小さく頭を下げた後、重い気持ちのまま車の陰に腰掛け、タバコに火を点けた。



………俺何してんだろ?葉月も仕事も中途半端で…仕事位集中しなきゃいけないのにな…
あーあ…。和華に会いてぇな…



少しずつ曇ってきた空を眺めながら、新たな雲を作るように煙りを吐き出した。


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