同級生



………まだちょっと腫れてる



鏡に写る自分の顔にため息がこぼれ落ちた。


結局夕べはほとんど眠ってない。

泣きすぎて寝てない現実は、私の瞼にハッキリ残ってる。

けど、泣き過ぎる位泣きすぎた後、少し冷静になれたし、冷静になれたお陰で、一つの案が頭に浮かんだ。


“あの携帯小説を書いたのは私じゃない”


幸いにも、ネットやサイト上でのやり取りは文字だけ。

顔は見えないし、声も聞こえない。

私と作者は別人なんだ。

私の中に、あの作品を作った人物を作れば良い。

『あの小説を書いたのは私だ』って自ら言わなければ、絶対バレない事。


そうすれば、必要以上に笑い者にされる事も無いし、からかわれる事も無い。



………何でもっと早く気付かなかったのかなぁ?
泣く必要なんか全然無かったのにな…



腫れてる瞼を冷やしながら、大きくため息をついた。


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