同級生
謝らなきゃいけないのは私なのに…
いつも彼が謝罪の言葉を告げてきて
いつも私は、ただただ黙って謝罪の言葉を聞いてた。
本当に謝らなきゃいけないのは臆病な私なのに…
それなのに……
………嘘ついた事ちゃんと謝ろう
そう決心し、雨の降る中に飛び出した。
決心が揺らぐ前に、急いで彼の居る場所へ向かったんだけど…
彼は雨の降る中、真剣な眼差しで作業をしていた。
大好きだった彼の真剣な眼差し。
好きで好きで仕方なかった彼の真剣な横顔は、7年経った今でも何も変わってない。
高校の時からそうだった。
バスケ部の練習の時、ゴールを狙う、彼の真剣な眼差しを初めて見た時から、彼の瞳に…彼の横顔に夢中になってた。
マネージャーの仕事が手につかない程、彼の事が好きだったのに…
彼が目の前に居るだけで、足が竦む程緊張してしまい、話す事も、声を発する事も出来ないまま卒業してしまったんだ。
………仕事の邪魔になっちゃうよね
ため息をつきながら事務所に戻り、濡れた髪を拭く事もないまま、自分のデスクに着いた。