同級生
………私ってどこまで臆病なんだろ?
ハァっと大きくため息をつき、デスクに顔を埋めた。
隠し事をしてるからついつい後ろめたくなって、避けるような態度を取ってしまっている。
………だったら、隠し事をしなきゃ良いんじゃない?
からかわれたって、バカにされたって良いじゃん。
『自意識過剰だ!』って罵られたって良いじゃん。
開き直れば良いだけなのに…
どうしてもそれが出来ない。
思い出は綺麗なまま残しておきたいから…
彼に恋してた思い出は、誰にも壊されたく無いから…
どうしても開き直る事が出来ないで居る。
「ただいま~。和華?寝てるのか?」
叔父さんの声でゆっくりと顔を上げると、叔父さんの後ろには作業をしていた3人の男性。
「この雨じゃ作業無理なんだから、ゆっくり休んで下さいよ~」
上機嫌な叔父さんの声に促されるように、ソファーに座る3人の男性だけど…
浜野くんだけはこちらを見ようとはしなかった。
………自業自得か
ふぅっとため息をついた後、視線をパソコンに戻した。
さっきのような静けさは無く、上機嫌で男性達と話す叔父さんだけど…
浜野くんだけは黙り込んだままだった。