同級生
「うわっ」
和華の声で扉の向こうに目を向けると、扉の向こうには大粒の雪が降り落ち、地面を白く染めようとしていた。
「参ったな…。今日スタッドレスじゃ無いんだよな…」
頭を掻きながら小さく呟く春樹さん。
「気合い入れて行くしかなさそうですね…」
外を眺めながら瞬さんが言うと、和華は振り返りながら瞬さんに聞いてきた。
「皆さん、ご自宅は遠いんですか?」
「ここまで30分位です」
「私、御送りましょうか?ノーマルタイヤだと危険ですし…。あ、でも、荷物があるから…」
「それなら大丈夫だよ。送ってくれるなら明日取りに来るし」
和華と瞬さんの会話を遮ったは良いけど…
尋常じゃない程顔が熱い。
春樹さんが笑いを堪えてるところを見ると、鏡を見なくても自分の顔の赤さがわかる。
そんな俺につられているのか…
和華の顔も少しだけ赤く染まっていた。
「じ…じゃあ車とって来るね。叔父さん、良いでしょ?」
「ん?あ、ああ…。あそこなら来週まで置いても大丈夫だよ」
キョトンとした顔をしている叔父さんだけど、和華は返事もせずに扉の外に飛び出した。