同級生


「うわっ」

和華の声で扉の向こうに目を向けると、扉の向こうには大粒の雪が降り落ち、地面を白く染めようとしていた。

「参ったな…。今日スタッドレスじゃ無いんだよな…」

頭を掻きながら小さく呟く春樹さん。

「気合い入れて行くしかなさそうですね…」

外を眺めながら瞬さんが言うと、和華は振り返りながら瞬さんに聞いてきた。

「皆さん、ご自宅は遠いんですか?」

「ここまで30分位です」

「私、御送りましょうか?ノーマルタイヤだと危険ですし…。あ、でも、荷物があるから…」

「それなら大丈夫だよ。送ってくれるなら明日取りに来るし」

和華と瞬さんの会話を遮ったは良いけど…

尋常じゃない程顔が熱い。

春樹さんが笑いを堪えてるところを見ると、鏡を見なくても自分の顔の赤さがわかる。


そんな俺につられているのか…

和華の顔も少しだけ赤く染まっていた。


「じ…じゃあ車とって来るね。叔父さん、良いでしょ?」

「ん?あ、ああ…。あそこなら来週まで置いても大丈夫だよ」

キョトンとした顔をしている叔父さんだけど、和華は返事もせずに扉の外に飛び出した。


< 173 / 196 >

この作品をシェア

pagetop