同級生
「すいません。明日必ず洋介が来ますので」

そう言いながら叔父さんに頭を下げる春樹さん。

「いや、他の仕事に差し支え無ければ来週でも…。同級生くん、昔、和華と…」

―――プップ―――


叔父さんの言葉を遮るように、外から聞こえてきたクラクション。

扉の向こうを見ると、黒い車の運転席に和華が座っていた。



………マジかよ!ジープじゃねぇか!



思わず和華の元に駆け寄り、運転席の窓をノックした。

不思議そうな表情をしながら窓を開ける和華。


「なぁなぁ、これ和華の車?」

「う…うん。そうだけど…」

「お願いなんだけど聞いてくれる?」

「な…何?」

「運転させてくんね?」

「へ?良いけどマニュアルだよ?」

「うぉぉ!マジで!?最高じゃん!すげーテンション上がるわぁ!」

「…ジープ好きなの?」

「高校の時からずっと憧れててさぁ!ほら!早く降りろよ!」

そう言いながら強引にドアを開けると、和華は「わぁ!!」っと叫びながら胸に飛び込んできた。


「痛ぁ…。逃げないから落ち着きなよ…」

赤い鼻を指先で摩りながら告げてくる和華。


「わ…悪い…」

小さく呟くように言うと、和華は春樹さんに促され、助手席に回り込んだ。


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