同級生
………ヤバい。俺、すげービビってる
さっきは車のおかげでテンションが上がり、普通に話し掛ける事が出来たけど…
改めて二人きりになった途端、尋常では無い程の緊張が体を支配してしまう。
和華に聞こえそうな程、激しく動きはじめた胸の鼓動。
緊張と強すぎる鼓動のせいで、まともに呼吸が出来ずにいた。
「…どうしたの?」
「ど、どうって?」
「ボーッとしてるから…。あ、体調悪いんだっけ。運転替わる?」
「い、いや…。大丈夫だよ。行くか」
そう言いながらギアを入れ、車を発進させた。
懐かしい曲が流れる中、黙ったまま車に揺られる和華。
永遠にも、一瞬にも感じる時間が過ぎると、家の隣にある広い公園が見えてきた。
「あ、あの…」
声を絞り出すように切り出してきた和華。
「な、何?」
和華に話し掛けられただけで、心臓が破裂しそうな程動きはじめた。
「…さっきはごめんなさい」
「さっき?」
「高校の時の話…。せっかく声かけてくれたのに、あの態度は酷いよね。本当にごめんなさい」
「ああ。気にしなくて良いよ。…けど、お願い聞いてくれる?」
「何?」
「飯、奢らせてくれ」