同級生
思い切って全部聞けたら楽なんだろうけど

聞いたら後悔しそうで…

聞いたら傷付いてしまいそうで…


どうしたら良いのかわからない。



………知らない方が幸せなのかもしれないし、気になるけど、我慢した方が良いよね。



「……和華?」

「な、何?」

「どうした?難しい顔して…」

「な、何食べようかな~って!」

「食いモン位で眉間にシワ寄せるって変じゃね?つうか、その前に飲みモンだろ?」

悪戯っ子のように笑いながら告げる彼の表情に、落ち着いていた鼓動がまた乱れ始めた。

「じ、じゃあ、中生!」

鼓動の乱れを吹き飛ばすように言ったんだけど

「親父クセェ!」

彼はそう言いながら私の言葉を笑い飛ばした。



………ちょっとムカつく。



メニューで顔を隠しながら小さくため息をつくと、彼は私のメニューを少し傾け

「最高に美味いよな!仕事終わった後の中生」

さっきとは違う優しい大人の表情で告げてきた。

「…気遣ってる?」

「いや、わかる奴は違うなってさ。やっぱ最初はビールだよな!しかも中生!ホントマジ最高!」

腕を組みながら、何故か満足げに何度も頷く彼。


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