同級生
「そうなのよ~!全っ然似てないでしょ?平和主義者から、こんな乱暴者が生まれるなんて信じらんなーい!」
両手で頬を包みながら、目を輝かせる親父と、空笑いをしている和華。
「浜野さん、せっかくだから二人も一緒に乾杯しましょうよ!」
親父の背後から声をかけた、町内会のオッサン達。
「は?」
「良いわね!そうしましょ!」
親父は満面の笑みで喜び、勝手にテーブルを動かしはじめた。
「おい、ちょっと待てって」
「じゃあ、和華ちゃんは僕と洋介の間ね!ウフ」
親父は全く人の話を聞こうともせず、和華を移動させた。
「「乾杯!!」」
上機嫌な親父達と、困った表情をしながら親父達に合わせている和華。
せっかく二人で飲みに来たのに、親父達の乱入で8人の飲み会になってしまった事は、ただただ苛立ちを募らせるだけ。
………店のチョイス間違えたなぁ…。
外食しないから他に店知らないし…。
ここだって春樹さんと来て、唯一通うようになったんだもんな。
親父が常連だったとは知らなかった…
和華の方が俺より土地勘あるんだし、和華に任せれば良かったなぁ…
タバコに火をつけた後、ため息と一緒に煙りを吐き出した。