同級生
自分の机の上に手書きの図面を広げ、立ちながら眺めている菊池。

人志に手招きされ、菊池の後ろに背を向けて立つと、人志は俺の体を反転させ、いきなり突き飛ばした。

突然視界に飛び込んだ近過ぎる菊池の顔と、手のひらにハッキリと感じる柔らか過ぎる肩の感触。

一瞬にして耳まで熱くなり、慌てて体を離しながら赤い顔をする菊池に小さく告げた。

「わ…悪い…」

「う、うん…。大丈夫…」

「人志テメェ!」

振り返りながら怒鳴りつけると、人志は走って教室を逃げ出して居た。

「待てコラ!!」

逃げ出すように人志を追いかけ、物影に隠れる人志の胸ぐらを掴み、歯を食いしばりながら怒鳴りつけた。

「何が誕生日プレゼントだコラ!」

「最高のプレゼントじゃん!どさくさに紛れてチュー位すれば良いのに…」

「そんな真似出来る訳ねぇだろが!」

「嬉しくねぇの?誕生日プレゼント」

「…うるせぇよ」

「もっと激しい方が良い?」

「次、何かやらかしたらマジで殴るぞ?」

「大丈夫だから俺に任せてよ!上手くやるから!」

「だから何もするなって!」

「素直になろうぜ?嬉し過ぎて赤い顔してるんだからさ!」
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