同級生

作戦

永遠に続いてしまいそうな浜野くんのお父さんのお説教。

私の体を心配しているかのように、一生懸命『休み』について語ってくれるのは有り難いんだけど…

お姉言葉なのが凄く気になる。

しかも、初対面なのに『泊まれ』って…

正直、迷惑な話でしかない。

けど、相手は好きな人のお父さん。

逃げる事も、話をそらす事ですら気が引ける。


「なぁ親父、泊まらせるならさっさと行こうぜ。母さん寝ちまうぞ?」

「ええ!?」

「あら!もうこんな時間!祥子ちゃん寝ちゃうから帰りましょ!」

「はあ!?ちょ、ちょっと…」

私の意見は全く聞かず、浜野くんとお父さんの会話は成立してしまい、二人してダウンを着ている。

どうしたら良いかわからず、浜野くんの顔を見ると、浜野くんは目で
『大丈夫』
と合図してきた。


ハッキリ言って、何が大丈夫なのかわからない。

かと言って、ここに置いて行かれるのも凄く困る。



………本当に大丈夫なの?すんごい不安なんですけど…



不安になりながらもコートを着込むと、浜野くんは町会仲間と話しているお父さんに声をかけた。

「車取ってくるな」

「わかったぁ!外で待ってるから!」


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