同級生
何も言い返す事が出来ず、苛立ちと喜びの入り交じった心境のまま教室に戻り、大きくため息を吐いた。


素直に言うと、人志の『誕生日プレゼント』は最高のプレゼントだった。

あんなに近い距離でアイツの顔を見たのははじめてだし、アイツの肩の柔らかさを感じたのもはじめてだけど…

人志の悪乗りは、限度を知らない事も、人志が何を企んで居るのかも大体想像はつく。



………つうか、アイツ何で知ってんだ?

ハッキリ『菊池が好きだ』って言った事ねぇよな?

あれ?『菊池が好き』?

気になるだけじゃ無くて『好き』?

まだ知り合って日が浅いのに『好き』?

菊池の事、何も知らないのに『好き』?

彼氏が居るかもしれないのに『好き』?

彼氏が居たとしても、好きなモンは好きなんだから仕方無ぇよな!



授業中なのにも関わらず、自分の中で自分に問い掛け続け、素直な気持ちがハッキリとした時、胸の奥が微かに痛んだ。


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