同級生
笑いながら立ち上がり、教室に戻って行く和華。

「んだよ!チューするチャンスだったじゃん!」

「馬鹿野郎!怪我したらどうすんだよ!」

自販機の前で悔しそうな声をあげる人志に、駆け寄りながら怒鳴りつけた。

「告ろうとしたクセに…」

缶コーヒーを買いながら小さく呟く新田。

「え?…もしかして見てた?」

「みんな見てたよ。クラスメイトだけじゃ無くて、同級生のみんなと教師も見てた。お前も有名人の仲間入りだな?」

「有名人?」

「ああ。和華と同じ。和華は女ってだけで有名なんだけどな。みんなの前で口説こうとしたお前も、有名人の仲間入り。良かったな。和華と同じでさ」

「…ヤベぇ。ちょっと嬉しい…」

「お?ヤケに素直だな?人間素直が一番だぞ~」

「いちいちうるせぇよ…」

八つ当たりをするように人志の頭に拳を振り落とし、人志の財布を奪い取った後、小銭を漁りながら注意した。

「人志、もうあんな真似すんじゃねぇぞ?」

「何で?」

「何でじゃねぇよ。お前の悪戯は危な過ぎんだよ。限度知らねぇから…。顔に傷付けたら一生責任取る事になるぞ?」

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