同級生
「洋ちゃんが?」

「何で俺?超意味わかんねぇし」

「好きなんだろ?『出来ちゃった』って言われたらどうすんの?」

「んなミスするかよ!アホか…」

「でもさ、占いサイト見たら『恋人同士はイマイチだけど、結婚したら良い関係になる』って書いてあったよ?洋ちゃんと菊池」

「……お前、勝手に何してんだよ?」

「気になるじゃん?そう言うの」

「アホか!んなもん見るな!勝手に調べるな!余計な事も何もすんな!!」

怒鳴りながら奪い取った財布を投げ付け、缶コーヒーを買った後、ふてくされながら教室に戻った。



自分の席にドカッと座り、缶コーヒーを一口飲んだ。



支えるだけのつもりだったのに、強く抱き締めてしまった事。

空気に飲み込まれ、思わず下の名前を呼んでしまった事。

潤んだ瞳で微笑みかけられ、思わず『好きだ』と言いそうになってしまった事。



コーヒーのほろ苦さはさっきの事をハッキリと蘇らせ、胸の奥の苦しみと痛みまでもを思い出させた。



『…苦しい』


和華が小さく呟いた言葉が、頭の中を駆け巡る…



………俺も超苦しい。すげぇ苦し過ぎておかしくなりそう…

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