同級生
何も変らないまま、始まってしまった2月期。


また人志と一哉の3人で、登校する日々がはじまる。



ホントはアイツと登校したいけど…


ホントは俺を狂わせるアイツの近くに居たいけど…



ほんの少しの勇気が無い俺は、アイツの近くに行く事すら出来なくなっていた。



2月期が始まってから数週間が経った頃。


アイツの後ろ姿を眺めながら、人志と一哉の3人で話していた。



高校に入った直後から、溜まり場状態になっているアイツの後ろ。


夏休み前までは近くにアイツが座っていたけど…

人志が余計な事をし過ぎたせいで、アイツと距離を置きながら立っていた。



ホントは人志のせいじゃないのはわかってる。


ホントは自分の意気地無さが嫌なだけ…

ホントは冷たくあしらわれるのが怖いだけ…


目の前に居るアイツが、そんな奴じゃ無いのは知ってるけど…


幻のように感じるアイツが…

話しかけたら消えてしまいそうなアイツが、怖くて仕方無かった。


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