同級生
止まる事を知らない二人の愚痴。

部員のみんなも俺も、何度か嫌味を言われた事があったけど、そこまで酷い事を言われた事は無かった。



………辞めて当然だよな。秋本グチグチうるせぇし…。あんな事言われ続けて、終いには誇りだの責任だのって…つうか、辞めたらきっかけ無くなるじゃん!



気付いた時にはもう遅い。


和華と大久保は、ノートの切れ端に退部届を書いた後、プリントと退部届を手に教室を後にしていた。

「洋ちゃん?」

「んあ?」

一哉の声に顔を向けると、一哉は心配そうな表情をしていた。

「ボーッとしてどうした?風邪?」

「あ…、いや…、…立ち寝してた」

「洋ちゃん流石だな。立ち寝ってあり得なくね?」

「部活中に極めたんだよ。…マジ寝しよ」



……一哉は知らねぇのかな?アイツ結構鈍いからな…



教室に戻ると同時に自分の席に着き、机に顔を埋めた。



何も思い浮かばない…

何も考えられない…

唯一のきっかけを無理矢理作り出したのに、何も出来ないまま、何も知らないアイツは、何も言わないまま消えてしまった。

フラれた訳じゃないのに、これ以上前に進めないような気がして仕方無かった。
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