同級生
―放課後―



チャリに跨がり、みんなと学校を後にすると、物影で誰かを探す和華の姿が視界に飛び込んだ。

「悪い。先行っててくれ」

みんなに言いながら和華の元に急ぐと、和華は少し赤い顔で微笑みながら告げてきた。

「アレ返すね」

「アレ?」

「うん。身体検査の時のアレ」

「ああ…。アレね…」

「箱、入らなくて潰しちゃったけどごめんね。ソフトケースで良かったよ」

手のひらで隠しながら渡され、何気なく箱を受け取った。

渡されたのは水色の生理用品の箱。

「タン……、この中に隠したんか?」

「うん。そこしか安全な場所が無かったの。あんまりマジマジ見ないでね。恥かしいから」

「…渡しておいて矛盾してねぇか?」

「確かにそうかも!じゃあ、またね!」

「あ、なぁ!」

「うん?」

「…サンキューな」

ニッコリと微笑みながら手を振り、和華は駅に向かって走り出した。



忘れようとしていた気持ちと、忘れかけていた弱過ぎる電気は、淡い色になりかけてた和華への思いを、ハッキリと色濃いモノへと変えてしまった。
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