同級生
みんなの居る公園には寄らず、真直ぐに帰宅し、和華から渡された水色の箱を眺めた。



『マジマジ見ないでね。恥かしいから』


『安全な場所が無かったの』


『またね』



今でも耳に残る和華の声と言葉。

せっかく和華から話しかけられたのに、肝心な事は何も言えなかった自分。




『腰抜け』

『意気地無し』

『役立たず』



自分自身をけなす言葉しか思い浮かばない…


自分自身をけなす言葉が浮かび上がっても、肯定する事しか出来ない自分が情けない…



………俺、なんでヘタレてんだろ?
なんで何も言えないんだろ?
もう1年も経つのに…
和華には男がいるのに…
大して話もした事無いのに…
なんでこんなに惹かれるんだろ?



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