同級生
校舎の中に入った後、正面にデカデカと貼ってある紙を眺めた。

建築デザイン科はA組とB組。

建設科はC組とD組。

一哉はA組で、人志はB組。

C組のクラス表に書いてある“浜野洋介”の名前を見つけ、教室に向かった。

見事なまでに3人は別れてしまったけど、『科が違うから当たり前の事』と割り切っていた。

中学を卒業すると同時に、熱が冷めきっていた彼女と別れた事も当然。


全部当然の事だと思いながら自分の教室に入り、黒板に書かれている自分の席に座った。



『全部当たり前の事』



クラスメイト全員が男子なのも、話す相手が居ないのも、やる事が無いのも、何故かイライラしているのも全部当たり前。


……気分でも変えるかな


ため息を吐きながら立ち上がり、一哉の教室に向かった。
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