同級生
翌週から始まった補習期間。

和華に冷たく当たったせいか…

一哉だけでは無く、人志達までもが俺と距離を置き、一人寂しく追試を受ける始末。


去年の今頃は楽しみだった学校へ行っても、校内にアイツの姿は無かった。



アイツの姿を見たくて…

アイツの声が聞きたくて…


補習期間中も、夏休み中も、毎日のように電話をした。

毎日のように電話をしているのに、声が出る事は無く、無言電話ばかりする日々。

無言電話をした後、必ずと言って良い程こぼれ落ちるため息。


毎日同じ番号を見ているせいか、覚え易い番号のせいか…

自然と番号は記憶され、携帯の発信履歴を使わなくても、かけられるようになっていた。



夏休みが終わりに近付くと同時に、アイツは電話に出なくなり、代わりに留守電の音声が聞こえるようになった。


当然の事と言えば当然の事。

毎日無言電話をされたら、電話に出なくなるのも頷ける。



………2月期が始まったら、ちゃんと謝って素直な気持ちを伝えよう…。その前に…



拳を握り締めた後、大きくため息を吐き、一哉に電話をした。


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