同級生
「…新学期始まってから?」

「いや、今。電話で告ろうと思ったんだけど、すぐ留守電になるんだよ。和華の家」

「そ、そうなんだ…。危ねぇ…」

「洋ちゃんさ、和華に告る?洋ちゃんが告るんなら、俺、黙って和華と友達してるよ。告んねぇなら、俺が告る。完全に負け戦だけど…」

「負け戦?何で負けるってわかってんの?」

「和華の視線見てればわかるよ。アイツ、意外と超照れ屋だから、好きな奴と目を合わせる事出来ないんだよ。洋ちゃんと同じ」

「そうなんだ…」

「まぁ、お互い頑張ろうぜ!あ、二人でどっちが先に告れるか賭けよっか?」

「え?つうか、お前告らないって…」

「気が変わった。先に告った方が和華を取る。良いな?」

「和華の気持ちはどうすんだよ?って切れたし…。人の話し聞けよ。あのバカ」


ため息混じりに小さく呟き、ベッドに倒れ込んだ。



一哉に素直な気持ちを話したけど、クラスの違う自分が不利な状況には変わりない。

そんな事より、大して口を聞いた事も無い奴が…
あんな酷い事を言った今の自分が告ったとしても、良い答えを聞ける訳も無い。


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