同級生
着実に禁煙が成功している中、新学期が始まり、久し振りにみんなと学校に向かった。

浮き足立つ気持ちを抑え切れず、自然とチャリを漕ぐ足が早くなる。

「洋ちゃん、マジ疲れた…。そんなに急ぐ事無くねぇ?」

背後でチャリを漕ぎながら泣き言を言う人志。

「お前ら後から来いよ。俺、先に行くからさ」

「ええ…。待ってよ…」

小さく呟きながら必死でチャリを漕ぐ人志と一哉。

青田と新田はマイペースでチャリを漕いでいた。


学校に着いた頃には、人志と一哉はグロッキー状態だけど、俺は軽く肩で息をしている程度。



………禁煙ってすげぇ!体が超軽い!まだまだ走れそうだぞ!



駐輪場にチャリを停めると、校門の方から教師の怒鳴り声が聞こえた。


「コラ!二人乗りするな!」

視線の先には人志と同じクラスで、いつの間にか一緒に行動するようになっていた若林の姿。

若林がチャリを止めると、チャリの後ろから和華がピョンと飛び降りた。



「…なんだよアレ」

俺の気持ちを呟く、一哉の小さな声。


さっきまで浮き足立っていた気持ちは一気に萎み、虚しさが襲いかかってきた。


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