同級生
朝から嫌なモノを見てしまった事実と、見たくない現実を見てしまった事実。


確かに若林は藤沢より男らしいし、見た目も不良ぽくて悪くないけど、和華と若林が話している所なんて見た事が無い。

「洋ちゃん…」

「うるせぇ。先に行く」

ふてくされながら人志に言い放ち、一哉と教室に向かった。


始業式の最中も、ホームルームの最中も、頭に浮かぶのは今朝の事ばかり。

学校を終えた後、新田といつも寄っている公園に向かうと、若林は青田と肩を並べながらタバコを吸っていた。

「若林、今朝のなんだよ?」

「今朝?和華と2ケツしてた事?」

「ああ」

「あれか…。夏休み中、近所で祭りがあってさ、たまたま藍子の町会に和華が遊びに来て、一緒に飲んだんだ。和華、突然おもちゃ屋でエアガン買って打ちまくってさ、すげぇ撃たれた…。アイツ結構危険な奴なんだな?」

「…それだけ?」

「ああ。今朝も『乗せなきゃまた撃つぞ?』って脅された…」

「なんだ…。それだけか…」

「俺は好きだけどな?撃たれたとしても、好きでも無い女と2ケツにしねぇし」

「は?…お前、それ話し違うんじゃね?」
< 58 / 196 >

この作品をシェア

pagetop