同級生
ふてくされながら教室に戻る人志の横で、力無く教室に戻った。

自分の教室に戻った後、力無く自分の席に着き、机に顔を埋めた。


「洋介?お前何ヘコんでんの?」

「ヘコむっつうの。マジ終わった…」

新田の声に顔も向けず、ため息混じりに小さく呟いた。

「『えっち』ねぇ…。そんなにヘコむ事か?」

「ヘコむっつうの…。人志の野郎、マジでボコる」

「ふーん。俺にはヘコむ意味がわかんねぇけどな?」

「なんでだよ?」

「悪い意味に取れないから。人志に『ド変態』って怒鳴った後だぜ?普通なら洋介にも『ド変態』って怒鳴るんじゃね?それが『えっち』ねぇ…。諦めるにはまだ早いんじゃね?」

「だってさ…」

「普通の奴ならまだしも、アイツ結構不良だぜ?人志が階段から突き落とした時、抱き締めたのが効いてるのかもな?女ってああ言う状況に弱かったりするし」

「ドラマの見過ぎ。世の中そんなに甘くねぇよ」

「好きな男に話しかけられない女も居るんじゃね?お前みたくな?」


新田の言葉に何も言えなかった。

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