同級生

現実

何の進展も無いまま、迎えてしまった修学旅行当日。

チャリで学校に向かうと、少し暗い表情をした和華がデカい鞄の上に座っていた。

修学旅行が終わるとすぐに期末テストが待っているせいか、教師に拘束されるのが嫌なのか…

和華はあまり楽しそうじゃない。


和華は楽しそうに話している大久保に相槌を打つと、うつむきながら小さく欠伸をしていた。

一哉と二人で和華に近付くと、一哉は不思議そうな顔をしながら和華に聞いた。

「よう。調子悪いんか?」

「…二日酔いと寝不足。超キモい…」

「祭りはまだだろ?」

「大園のアホから誘われたの。嫌だって言ってるのに家まで来られて、2時まで付き合わされた。マジ最悪…」

「ウゼェんだよ!って言ってやれば?」

「言ったよ?そしたら家に来たの。喧嘩して、やっと追い返したのが2時」

「ふーん…。嫌いな奴には何でも言えるんだな?…好きな奴には話しかけられないクセに」

「うっちゃい!」



………え?好きな奴には話しかけられない?一哉、もしかしたら何か知ってる?



本人を目の前にして一哉に聞く事も出来ず、自分のクラスの群に向かった。


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