同級生
寝転がりながらテレビを見ていると、部屋の電話が鳴り響き、寝転がった体勢のまま受話器に手を伸ばした。

「洋ちゃん?寝てた?」

全く反省の色を見せない人志の明るい声に、ため息混じりに小さく答えた。

「起きてたよ」

「マジ?今から部屋来ねぇ?飯の時間までみんなでポーカーしようぜ」

「賭けんの?」

「いや、遊び」

「暇だから行くわぁ~」

力無く答えた後、部屋を後にし、エレベーターを待っていた。

ボーッとしたままエレベーターを待っていると、エレベーターの扉が開き、奥に和華が立っていた。

突然の出来事に、少し後退りしてしまう自分。

「…よう」

小さく告げた後、エレベーターに乗り込み、2階のボタンを押した。


ずっと望んでいた事が現実になった喜びと、あまりに突然の出来事に戸惑っている自分。

扉に反射された和華は、ジッと俺の後ろ姿を眺めていた。



………ヤベぇ!告るチャンス到来じゃね!?
いきなり告ったら引くよな?
『良い天気だな』って切り出すか?
雨降ってたから無理じゃね?
『まだ降ってんのかな?』とかは?
つうか、天気の話はダメだろ?
外見えねぇし…。ああ!もう良い!今すぐ告る!


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