同級生
―翌日―


昨日に引き続き生憎の雨。

本当ならビーチで自由行動の筈だったのに、教師の目が光る中、全く興味の無い観光名所を行ったり来たり…


2泊3日の予定なのに、2日間雨が降るって…

本当は楽しい筈の修学旅行なのに、2日ともヘコんでるって…


有り得ない状況と心境の中、ため息ばかりがこぼれ落ちた。



この日、最後の観光名所は屋外。


行きたくない奴はバスに残って良いと言われ、迷わずバスに残った。

クラスメイトや同級生達は、バスに残って居るのが嫌なのか…

傘をさしながら歩いて行き、気が付くとバスの中で一人きり。


小さくため息を吐いた後、ポケットの中で携帯が震え“人志”の文字が浮かび上がっていた。

「なんだよ?」

「洋ちゃん機嫌悪ぃ~。超良い知らせなのにぃ~」

「だからなんだよ?」

「バスで一人ぼっちだよ?」

「誰が?」

「アイツ。『か』の付く人」

「『や』の方?」

「違うぅ~。『は』の方。行ってみ?爆睡してるらしいよ?」

「マジで!?サンキュ!」

急いでA組のバスに向かい、バスの中に飛び込んだ。


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