同級生
「ま、待ってよ!ちゃんとお話しよ?ね?」

「…なにが『お話』だ。気持ち悪ぃ…」

ふてくされながら呟くと、若林は俺に歩み寄り、胸ぐらを掴んできた。

「んだとコラ。誰が気持ち悪ぃんだよ?」

「お前だ。顔真っ赤にしやがって…。このタコ野郎…」

歯を食いしばりながら小さく言うと、和華が一哉に小さく聞いていた。

「…この二人って仲悪いの?」

「微妙…。仲悪くなったの最近じゃねぇかな?」

「あたしお邪魔だよね?みんな静かだし…」

「ん~。いつもこんな感じだから気にしなくて良いと思うよ?洋ちゃん達も胸ぐら掴んで睨み合うだけだし、放っておけばすぐ座るよ」

一哉の言葉通りにするつもりは無かったけど、若林の手を振り払い、その場にドカッと座り込んだ。



………邪魔臭ぇ。マジ邪魔臭ぇ。特に若林が邪魔臭ぇ…。つうか、なんでこいつこんなに姿勢良いんだよ?マジウゼェ…



部屋の中には8人も居るのに、自然と沈黙が訪れ、聞こえて来るのは新田のデカい欠伸だけ。


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