同級生
気になって仕方無いけど、違うクラスで違う科のアイツ。

例え進級し、クラス変えがあったとしても、科の違う大人しそうなアイツと同じクラスになれる訳も無い。



……何でアイツの事ばっか考えてんだ?話した事も無いし、声だって聞いてねぇじゃん。バカバカしい…



ため息混じりの入学式を終え、自分の教室に戻った。


教室に戻り、教師の話を聞いている最中も、アイツの事が気になって仕方無い。

アイツの事も気になるけど、ゆっくり過ぎる程ゆっくりと体中を流れる、微弱な電気も気になる。

中学の時に好きになった同級生の時は、胸の奥を鷲掴みにされるように、グッと苦しくなったけど、アイツは全く違う。



学校を終え、校舎の前にあるベンチの横にチャリを停め、人志と人志が連れて来たクラスメイトの青田の3人で、一哉の事を待っていた。


話しながら待っていると、一哉の後ろに見えたアイツの姿。

慌てて立ち上がり、名前も知らないアイツに声をかけた。

「なぁ、中学何処?」

「二中だよ」

答えたのはアイツでは無く、人志が連れて来た青田。

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