同級生
新田はデカい欠伸をした後、和華にハッキリと聞いた。

「暇じゃね?」

「う、うん…」

「眠くね?」

「ううん。バスで寝ちゃったから…」

「超眠ぃ…。添い寝してくんね?」

「「はぁ!?」」

思わず若林と声を裏返すと、和華はムカついた表情をしながら突然立ち上がり、黙ったまま部屋を後にした。

「あ…、行っちゃった…」

「行っちゃったじゃねぇだろ!ボケ!クズ!」

「冗談のつもりで言ったんだけど…。意外と照れ屋なんだな?」

「馬鹿か!お前は!はじめて話した奴にあんな事言われたら、誰だってキレるわぁ!!」

「よくわかってんじゃん。女心。つうか、探さなくて良いんか?和華、居場所無いぞ?」

慌てて部屋を飛び出し、ホテル内をくまなく探しても、和華の姿を見つけられず、夕食の時間だけが無性にも迫ってきた。



………もしかしたら、もう行ってるかもな。つうか、俺の告りタイム返せ!



仕方無くホールに向かうと、和華は席に座り、大久保と話をしていた。


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