同級生
期末テスト初日の放課後。


みんなと帰宅しようとすると、一哉は一人、別のルートに向かおうとしていた。

「一哉?何処行くんだよ?」

「図書館」

「は?なんで?」

「勉強しに行く」

「誰と?」

「窪塚達」

「和華も居るのか?」

「和華が教えてくれるんだよ。じゃあな」


颯爽とチャリに跨がり、消えて行った一哉。

「良いなぁ。俺も教わりてぇな…。同じ科なんだし…」

若林の声で苛立ちが膨らみ、何かにぶつかりたい衝動に襲われた。


「先行くぞ!!」

八つ当たりをするように冷たく言い放ち、ハンドルを握り締めながらチャリを漕ぐ足を早めた。


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